2008年06月03日

ヒーローとは。

UNBREAKABLE.jpg
アンブレイカブル 原題:UNBREAKABLE
製作2000年 アメリカ 監督:M・ナイト・シャマラン
脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン
ロビン・ライト・ペン


なんだかこっそりとシャマラン祭り開催中です。
(と言いつつ、『ハプニング』は映画館に行けないけど。)
いい意味で人の期待を裏切るシャマラン監督が好きです。

(あらすじ)
フィラデルフィアで大規模な列車の脱線事故が起きた。
生存者はただ1人、デヴィッド・ダン。
彼はかすり傷すら負っていなかった。
その後デヴィッドの元に1通のメッセージが届く・・・・・。


なんで傷つかないんだろう?本当に不死身なのかな?
観ている人も主人公のブルース・ウィリスも
不思議に思いながら物語にひきこまれていきます。
果たして本当に不死身なのか否か・・・・・
はっきりさせないのも緊張感があっていいです。
(父子対決?のシーンは迫力がありました。)

他人より優れた能力を持つ者は
他人を救うためにその能力を駆使する事は
必然なのでしょうか?
ヒーローの悲哀みたいなものを感じました。

『ヴィレッジ』もそうでしたが、
ココからどうなるの?という非常に
気になるところで終わってしまいます。
それが物足りないと感じる人もいるかもしれません。
別に次回作を作る布石として終わらせているのではなく
ここからの物語は視聴者にゆだねてるのかな、と思いました。


シャマラン監督は「『シックス・センス』の・・・」といった
枕詞でくくるのは似合わないような気がします。
いつも、色んな方向から攻めてきます。
全く違うジャンルなので前の作品と比較したり、
どんでん返しがあるに違いない!とか
決めつけてみない方がいいです。

2014.02.08追記
約6年ぶりの再見です。
誰がどんな役なのかわかっているので、じっくりと観る事ができました。
たった一度の鑑賞でおもしろいかどうかの評価を決めるのはもったいないかも。
(今回はシャマラン監督がどこに出てるのかもちゃんとわかりました!)

たった一人生き残った男、ダン。
彼は本当にヒーローなのかどうか、今回もドキドキしながら観ました。
(ホントはわかっていますけど。笑)

ダンが否定しても執拗に持論を押し付ける
ミスター・ガラスことイライジャ。
そして彼の理論に感化されてしまうダンの息子。
テレビのニュースを見て死んだと思っていた父親が
怪我一つなく生きていた・・・・・・
それだけでも息子にとっては父はヒーローですよね。
そこにヒーロー論をつきつけられたら
信じてしまうのも無理はないと思いました。


生まれた時から全身に骨折をしていたイライジャは
自分が何のために生まれたのか疑問を抱いています。
人生に意味を見出さないとつらかったのでしょう。
そして、とんでもない持論につきすすんでしまうのですが・・・・
でも、なんか、彼の気持ちはわかるような気がします。
誰よりもヒーローに憧れているのにもかかわらず、
自分はヒーローには決してなれない。
こんなに悲しい事はないでしょう。
この世にヒーローはいないのか・・・・・?
誰よりもヒーローを熱望、渇望していたイライジャ。
彼とダンの関係を考えれば考えるほど、シビれます!

posted by マミイ at 09:38| 大阪 ☔| Comment(8) | TrackBack(1) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ミステリー企画で再見しました。

雨合羽を着たヒーローとか、見た目は凄い地味ですけど、本当にヒーローが出てきたらこんな感じなのかもしれません。

この監督、良くも悪くも「シックス・センス」の存在が大きすぎるんですよね。
「アンブレイカブル」も鳴り物入りで公開されてまずまずヒットしましたが、賛否両論というか否のほうが多かったです。
「シックス・センス」が日本でも受けたのは死者と残された者っていう切ない部分が大きかったと思うんですが、「アンブレイカブル」には「コミック?ヒーロー?なにこれ」って面食らったんじゃないかなあ、アメコミ文化の薄い日本なら尚更でしょうし。

ただ僕はヒーローもの大好きなので「シックセンス」以上に切なさを感じました

確かに続きが気になりますね。

この主人公がヒーローを続けなきゃならないって強制的な義務はないし
この男の思い通りになりたくないっというのも最もですが

ただ行動は間違ってるけど
イライジャ(サミュエルの役名)が
望んだのは「人々を守って欲しい」、それに尽きると思うんです。

だからヒーローとして頑張って欲しい派ですね、僕は
Posted by バーンズ at 2013年11月16日 11:19
バーンズさん、こんばんは。

おっ!ミステリー企画で本作とはシブいですね〜。
実はシャマラン監督作品の中では
『アンブレイカブル』が一番好きだったりします。

>この監督、良くも悪くも「シックス・センス」の存在が大きすぎるんですよね。
そうですよね。
みんな『シックス・センス』基準で考えちゃってますよね。
もったいないです。
最新作の『アフター・アース』にいたっては
監督の名前が全然出てきませんでしたからね。
(エンドロールを観てビックリしちゃいました。)

>ただ僕はヒーローもの大好きなので「シックセンス」以上に切なさを感じました
私もグッときました。

>だからヒーローとして頑張って欲しい派ですね、僕は
私も頑張ってほしいです。
でも、あの苦悩を目の当たりにした後では
頑張って!って単純には言えないです。

私も再見したくなりました。
Posted by マミイ at 2013年11月16日 23:00
>それだけでも息子にとっては父はヒーローですよね。

そうそう、そうでしたね〜。
以前一度だけ観て、結構好きな作品なんですが、息子の存在を忘れてました。
イライジャはヒーローだけでなく父親にもなれないわけで、まさにダンは理想だったのかもしれません。
切ないですね…。

イラスト、シャマラン監督の映像の雰囲気がバッチリ再現されてます。
奥行きも感じられて素晴らしい!
Posted by 宵乃 at 2014年02月09日 11:08
宵乃さん、こんばんは。

>以前一度だけ観て、結構好きな作品なんですが、息子の存在を忘れてました。
私も初見時はあまり息子の事は気にならなかったんですが
今回はすご〜く共感しました。
(と言っても、銃を向けるのはダメだと思いましたけど。
まあ、あそこまで思いつめるのもパパ大好きだからなんでしょうね。)

>イライジャはヒーローだけでなく父親にもなれないわけで、
>まさにダンは理想だったのかもしれません。
おぉ、そうですよね!
持つ者と持たざる者・・・・まさに二人は双極でしたね。

>イラスト、シャマラン監督の映像の雰囲気がバッチリ再現されてます。
>奥行きも感じられて素晴らしい!
ありがとうございます!
エアブラシで陰影をうまいことつける事ができて、
久しぶりに満足した仕上がりになりました♪
Posted by マミイ at 2014年02月09日 22:56
マミイさん、こんにちは
コメントありがとうございました〜

>生まれた時から全身に骨折をしていたイライジャは
>自分が何のために生まれたのか疑問を抱いています。

その場面でお母さんが泣いていたのが印象的でした。
生まれた息子がそんな状態だったというショックもあるのでしょうが、この子の人生は間違いなく厳しいものになる、と否応なく思い知らされて。
ギャラリー経営で成功したイライジャを誇りに思っていたのに、彼の行いを知ったら気の毒だなあと感じていましたが、もしかしたら真の姿を知っていたのかもしれないと最近になって思います。
「息子が教えてくれたのだけど」と前置きした上で
”本当に手強いのは力で戦う悪役よりも知能を駆使する悪役”と語る姿を見ると。
それも怖いし悲しいです。出番は少ないけどこのお母さんも重要人物でしたね。そういえばイライジャの父親の描写全く無かったような気がします、そこも対比されてるんでしょうね。

息子君、バーベル上げ(この場面のブルースのプルプル顔芸が凄い)でとんでもない記録出してから
憧れ目線バシバシで可愛かったですね。
この男の子、「グラディエーター」にも出てたけど
今どうしてるかな〜、美少年子役が成長した現在の姿って見るのがちょっと怖いです。


>でも、なんか、彼の気持ちはわかるような気がします。

もし、彼が健康な体だったなら、そこまでヒーローにのめりこまず普通の人生を送っていたことでしょうが、その場合、デヴィッドが目覚めることも無かった。なくべくしてなったというかそうなるほかなかったというか....シャマラン監督、宿命論とか運命論好きだろうなと思うんですが「サイン」でもそれ持ち込んで笑われたなあ...

でも神話の英雄には元となる人物がいたから
アメコミヒーローにもいるはずだっていう理論は
ぶっ飛んでいるようで案外的を得てそう。
日本神話のヤマトタケルもモデルが実在していたそうですしね

長文失礼しました
Posted by バーンズ at 2014年02月10日 12:36
バーンズさん、こんばんは。
こちらこそ、バーンズさんのおかげで再見する気になりました。
ありがとうございます!

>もしかしたら真の姿を知っていたのかもしれないと最近になって思います。
本当ですね!
そう考えると、お母さんの悪役論の台詞も深いですね。

>憧れ目線バシバシで可愛かったですね。
パパ大好き!が伝わってきて微笑ましい反面、
その後のシーンが思いつめすぎて怖かったです。笑

>でも神話の英雄には元となる人物がいたから
>アメコミヒーローにもいるはずだっていう理論は
>ぶっ飛んでいるようで案外的を得てそう。
噂って怖いですよね。
「〇〇かなぁ?」って話がいつのまにか「〇〇らしいよ。」に断定されてたりしますし。
ちょっと勇敢だったり、力が強い人の話が
いつのまにか尾ひれがついて、盛られた話が
ヒーローになっていってるのかもしれませんね。
Posted by マミイ at 2014年02月12日 21:42
こんにちは「アンブレイカブル」再見してみました。
マミイさんの記事に書いてあったのに、シャマラン監督を探すのを忘れてました!
今調べて、あの人だったか〜と思ってしまいました。何気に印象に残るシーンをチョイスしてます(笑)

緊迫の父子対決は仰るとおり見ごたえありました。
父親が大好きだからこその暴走という感じで、胸が痛みます。
改めてイラストを拝見して、そんな息子の気持ちがひしひし伝わってきました。

イライジャとデヴィッドの対比も、初見ではどうして気付かなかったんだろうと言うくらい丁寧に描かれていて、ホントヒーロー映画の前日譚として素晴らしいですよね。
ラストも今後を想像するとグッときました。
彼がヒーローとして目覚めるために犠牲にされた人たちのためにも、彼は孤独な戦いに身を投じる気がします…。
どこまでも切ないなぁ(涙)
Posted by 宵乃 at 2015年03月11日 17:09
宵乃さん、こちらにもありがとうございます。
そしてトラックバックもありがとうございます。
(今さらですが、『ノッティングヒルの恋人』も承認させていただきました。
大変遅くなってしまい申し訳ありません。)

>シャマラン監督を探すのを忘れてました!
シャマラン監督のこういうところが好きなんです。笑

>イライジャとデヴィッドの対比も、初見ではどうして気付かなかったんだろうと言うくらい
>丁寧に描かれていて、ホントヒーロー映画の前日譚として素晴らしいですよね。
実は観るたびに発見のある作品を作ってる人だと思います。
今、何やってるんでしょうね?
『アフター・アース』もシャマランって一言も言われず
ウィル・スミスばっかり前に出てましたし。
Posted by マミイ at 2015年03月12日 23:11
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Excerpt: 原題:UNBREAKABLE 製作:アメリカ’00 監督:M・ナイト・シャマラン ジャンル:★サスペンス/SF【あらすじ】フィラデルフィアで131名が死亡する悲惨な列車追突事故が起きた。かつ..
Weblog: 忘却エンドロール
Tracked: 2015-03-11 16:04

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