エレファント 原題:ELEPHANT
製作2003年 アメリカ 監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ガス・ヴァン・サント
出演:ジョン・ロビンソン、アレックス・フロスト
『ラストデイズ』と同じく、(というか、こっちが先ですが)
ガス・ヴァン・サント監督はまるで再現ドラマであるかのように
1999年のアメリカの高校で起きた銃乱射事件をモチーフに
同じような事件のドラマを撮りました。
でも、オチもなく、言いたい事もなく、ただ、事実のみを
(創作なので『事実』と言っていいかどうか・・・)
淡々と描いています。
大切なのは受け取るコチラ側なのかもしれません。
ある高校での1日をそれぞれの登場人物ごとに撮っています。
誰が主役、とかはないです。
それぞれが、それぞれの生活をフツウに送っています。
銃乱射を企てた学生がなぜ、そこに至ったのか、という事は
全く描かれていません。
ヒトは凶悪な事件が起こると、なぜそのような悲しい事件が
起きたのか理由を知りたくなりますが、本当は
特に大した理由はないのかも。
監督はコレを言いたい!というのはなく、
観る者にほとんど全てをゆだねられているようなものなので
考え出すと止まらなくなるかも。
『ELEPHANT』というのは『elephant in the room』という
慣用句に由来しているそうです。
象が部屋にいると誰もが気づくはずなのに、誰も口にしない・・・
大きな問題があるはずなのに、誰も指摘しないを状況を
指しているそうです。
で、コレは観ましたよ。コロンバイン高校の銃乱射事件を思い出しますよね。たぶんその事件をモチーフにした作品なんだろうけど、何を言いたいのかは分かりませんでした。テーマを主張しない映画なんだろうけどね。
でもなんか引き込まれました。俳優さん達の演技が自然ですごくリアルだった。
『ラストデイズ』で免疫ができていたせいか
何が言いたいのかわからないなりに
そういうのもアリかな、と思えました。
役者さんの名前と役名が一緒なんですよ、この映画。
まるでNHKの中学生日記みたい。
俳優さんたちは映画の中でも自分の名前を呼ばれるから
自然な演技ができるのかもしれませんね。