2014年01月12日

地獄ですがる蜘蛛の糸

kigakaikyou.jpg
飢餓海峡 
製作1965年 日本 監督:内田吐夢
原作:水上勉
脚本:鈴木尚也
出演:三國連太郎、左幸子、伴淳三郎


今月のブログDEロードショーとして観ました。
(ブログDEロードショーについてはコチラをご覧ください。)
邦画はほとんど知らないのですが
タイトルは何となく聞いたことがあるような気がします。

(あらすじ)
昭和22年青函連絡船が沈没した際に乗船名簿に載ってない
身元不明の死体が2体発見される。
弓坂刑事は執念の捜査で岩内の強盗放火事件と関連がある事をつきとめるが・・・。


冒頭からすごい荒波でした。
瀬戸内の穏やかな波を見て育った私にはそれだけでも衝撃です。

事件よりも何よりも
八重さんワールドが気になって気になって仕方がありませんでした。笑
正直HENTAI!?とも思わないでもなかったですが(^^;
「爪」だけが愛する人と自分をつなぐ絆なのだから
ああなるのも何となくわかるような気がしました。
爪だけで10年想い続け、他の男性に抱かれながらも何よりも純愛ってすごいと思います。
彼女にとってあの爪は地獄の中にたらされた光り輝く蜘蛛の糸だったんでしょうね。

後はイタコさん・・・・・子供の時に観たらトラウマ必至じゃないですか?
明るい時に観たけど、かなりの衝撃でした。
「東映W106方式」っていう16ミリで撮って35ミリに変換する技術のようですが
映像の粒子が荒れを逆利用して、ドキュメンタリーのような映像を作れるらしいです。
ホントに顔が怖くて泣きそうでした(^^;


・・・・・話がずれました。
最後は自白だけだったので、正直ちょっと眠くなってしまったのですが
休憩中に自白が本心か嘘かで議論になった時に弓坂刑事が言った
「極貧の味を知った者にしかわからないのです。」という言葉に心が揺さぶられました。
人間には想像力がありますが、どうあがいたって経験には勝らないのです。
実際に体験した事のない外野があれこれ言ったところで
結局は本当の気持ちってわからないのだなぁと思いました。
・・・それでも、相手の身になって考えようとする事には価値があると思いますけどね。

久しぶりの邦画、しかも3時間ありましたがなかなか楽しめました。
ちょっとしか出番がなかったですが、八名信夫さんがめっちゃ男前でした。
(チンピラ役、さすがですね!)


posted by マミイ at 19:24| 大阪 ☁| Comment(7) | TrackBack(1) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは!!(^.^)

八重さん、変わってましたよね〜(^▽^;)
爪を体に這わしてる時はドン引きでしたので(笑)

けど、あそこまで思い続けれるのは純愛ですよね!
それは本当にそうだと思います。

>後はイタコさん・・・・・子供の時に観たらトラウマ必至じゃないですか?
>明るい時に観たけど、かなりの衝撃でした。
今でもトラウマになってます(笑)
ここ数年で見たキャラで一番怖かったです、、、(^▽^;)

>「極貧の味を知った者にしかわからないのです。」という言葉に心が揺さぶられました。

僕も同じです。犬飼の行動は極度の貧困ゆえの
ものなんだな〜、と思いました。

見終えて複雑な心境になりました・・・(^▽^;)

Posted by take51 at 2014年01月12日 21:46
take51さん、おはようございます。

>爪を体に這わしてる時はドン引きでしたので(笑)
あはは〜、まさに恍惚って表情でしたよね!
自慰みたいなもんで、見てはいけないものを見たような気になりました。

>今でもトラウマになってます(笑)
>ここ数年で見たキャラで一番怖かったです、、、(^▽^;)
やっぱり怖いですよね!!
もしもフラッシュバックで終盤まで何度も出てきていたら
この映画をホラー認定しちゃいます。

>犬飼の行動は極度の貧困ゆえの
>ものなんだな〜、と思いました。
何となくはわかるけれど、
根っこの深いところは完全に理解する事は無理だろうなと思いました。
精神的にも物質的にも
私は「飢餓」っていう状態にはなった事はないので。
Posted by マミイ at 2014年01月13日 08:44
>正直HENTAI!?とも思わないでもなかったですが(^^;

思いますよね!
あれが男女逆だったらと想像してみたら、完全にアウトでした。本人が知ったら通報するレベルです(笑)

>彼女にとってあの爪は地獄の中にたらされた光り輝く蜘蛛の糸だったんでしょうね。

ですね〜。せめて髪の一房とかだったら、素直に純愛と受け止められたんですが…。
怖すぎるイタコのシーンを先に観ていたのも、八重さんのイメージをヤンデレ寄りにしていた気がしました。

>「極貧の味を知った者にしかわからないのです。」という言葉に心が揺さぶられました。

このセリフは印象的でしたね…。
色々とわからない事だらけでしたが、それでも「わからないからいいや」と投げ出してはいけないなぁと考えさせられました。

今回もご参加ありがとうございました♪
Posted by 宵乃 at 2014年01月13日 11:10
イラスト、爪にうっとりしてる八重さんワールドの感じがよく出てます!
まさに自分(と犬飼さん)だけの世界という近寄りがたいオーラがありますね〜(笑)
Posted by 宵乃 at 2014年01月13日 11:13
宵乃さん、こんにちは。

>本人が知ったら通報するレベルです(笑)
自分の爪があんな事に使われてると思ったら
・・・・・絶叫必至ですよね!

>せめて髪の一房とかだったら、素直に純愛と受け止められたんですが…。
そうなんですよね。
でも、あの汚〜い爪にあそこまで執着できるのが
八重さんの八重さんたる所以のような気がします。

>それでも「わからないからいいや」と投げ出してはいけないなぁと考えさせられました。
本当ですね。
本心は理解できないかもしれないけれど、
理解しようとする事が大事なんだと思います。

>イラスト、爪にうっとりしてる八重さんワールドの感じがよく出てます!
>まさに自分(と犬飼さん)だけの世界という近寄りがたいオーラがありますね〜(笑)
ありがとうございます!
さすがに爪は怖くて描けませんでした。笑
Posted by マミイ at 2014年01月13日 14:29
マミイさん こんばんは

>実際に体験した事のない外野があれこれ言ったところで
>結局は本当の気持ちってわからないのだなぁと思いました。
>・・・それでも、相手の身になって考えようとする事には価値があると思いますけどね。

そうなんですよね・・・。
正直、極貧と言われると
そこまでの体験もないんですよね。
(ある意味、幸せなんでしょうが)
かといって想像力の欠如も人間として
どうかと思いますし・・・

共感する能力がないのも
悲しい気がします。

犬飼の嘘と八重の純粋さ(?)が交差
することにより、犬飼は恐怖を覚え
それが、再度の悲劇のきっかけになる皮肉。

最後は、やはりあのラストしかないのかなと思ってしまいました。

それでは!!
Posted by きみやす at 2014年01月14日 02:39
きみやすさん、おはようございます。

>かといって想像力の欠如も人間として
>どうかと思いますし・・・
難しいですよね。
私はどれだけ想像したとしても
壮絶な体験には勝てないと思ってます。
だからといって、想像を放棄するのは絶対に嫌ですけど。

壮絶な体験と同等の想像力、共感力を持つ人間が
「ニュータイプ」なのかもしれませんね。

>最後は、やはりあのラストしかないのかなと思ってしまいました。
同感です。
あれ以外には考えられないような気がしました。
Posted by マミイ at 2014年01月14日 07:03
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Tracked: 2014-01-13 10:05

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