2007年04月06日

画面から漂ってくる匂い、臭い・・・

perfume.jpg
パフューム ある人殺しの物語
原題: PERFUME  THE STORY OF A MURDERER
製作2006年 ドイツ・フランス・スペイン
監督:トム・ティクヴァ 
原作:パトリック・ジュースキント
脚本:トム・ティクヴァ、アンドリュー・バーキン、
ベルント・アイヒンガー
出演:ベン・ウィショー、レイチェル・ハード=ウッド、
ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン


終了日間際に駆け込みで行って参りました!
せっかくだからにおい立つようなこの作品を
大スクリーンで観たかったのです。
万人向きではない、観る人を選ぶ作品ではありますが
みごたえがあって圧倒されました!



(あらすじ)
悪臭立ち込める魚市場で産み落とされたジャン・バティスト=グルヌイユ。
彼は類まれなる嗅覚を持ち、数キロ先の匂いでさえ完全に嗅ぎ分ける事ができた。
孤児院から商人に売られ、虐げられた生活を送るグルヌイユ、
ある時彼は理想の香りを持つ赤毛の少女に出会い誤って彼女を殺してしまう。
死と共に薄れゆく彼女の香りに嘆き悲しむグルヌイユ。
彼は香りを永久保存する方法を探し求めるのであった・・・。


香りには不思議なチカラがあります。
私も出産時病室にアロマポットを置いてもらったら
陣痛の合間に意識がなくなるほど爆睡してしまった事があります。
虐げらながら生きてきたグルヌイユは良い香りに包まれた時だけ
癒され人間らしくなる事ができます。
だから、理想の香りに出会い、いつまでもソレを手元に置きたい
というキモチは理解できます。
・・・・・が、今まで人間らしい生活を送ってこなかったグルヌイユ、
アプローチの仕方が無茶苦茶です。
暗闇からいきなり背後に忍び寄ってクンクン・・・ですよ!
ちょっとしたストーカーです。変態です。
嗅覚だけでヒトの動きまで察知してしまうので
ある意味、人間じゃなく化け物のように描写されてるかも・・・。

腐った魚とかはいまわる蛆虫、産み落とされた赤ちゃんとか
すごくリアルで生々しく、グロい映像が苦手なヒトはやめといた方がいいかも。
本当に臭ってきそうな映像でしたよ。

音楽はサー・サイモン・ラトルが指揮するベルリン・フィルなのです。
エンドロールを飾る音楽が圧巻でした。
とにかくすごすぎて、終わるまで席を立つ事ができませんでした。
それだけでも、映画館に行った価値があったな〜と思いました。


少しだけ追記・・・
今、パンフレット読んでたんだけど、
ニルヴァーナのアルバム『IN UTERO』におさめられている
"Scentless Apprentice" は小説パフュームにインスパイアされた
カートが作ったんだって!
なんか、気づかないところで自分の好きなもの同士が
リンクしてる事に気づくと、めちゃ嬉しいんですけど・・・。


2013.05.08追記
きみやすさんオススメの原作を読んでから再見。
映画は壮大な物語を少し設定を変えながらうまくまとめていたように思いました。

原作は丁寧に描かれていたので、
なぜグルヌイユがそういう行動をとったのかという事がよくわかりました。
(裏を返せば、映画だけではちょっとわかりにくいです。)

変な視覚効果をつけずに匂いを映像化しようとしたのはすごいと思います。
ただ、クサい臭いはすぐにイメージできるものの
恍惚の匂いは経験したことがないため、どれほどのものかが
映像だけではちょっとわかりにくかったです。
(本では想像力をかきたてられました。)

究極の匂いを持つ少女ローラの父リシ役がアラン・リックマンだったのは
今回初めて気が付きました。
彼はかなりの切れ者で愛する娘のために殺人犯から逃れようと手を尽くし
安心したその矢先に・・・・というところが
小説を読んでいないとあんまり伝わってこないのが残念です。

全体的に小説を読んでる人向けなのかしら。
46カ国語に翻訳され全世界で1500万部を売り上げるベストセラーらしいので
読んでて当たり前と思っているのかもしれませんね。
主人公の設定がかなり特異なため、初見でついていくのは難しいかも。
私は映画の内容はグルヌイユがクンクンしてるところしか覚えていなかったです(^^;
posted by マミイ at 15:27| 大阪 ☀| Comment(9) | TrackBack(1) | ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
予告編を観て、観たくなった作品です。
内容にとても興味をもちました。
上映時間が長かったような気がするんですが・・・

数キロ先のに香りを嗅ぎ分けるなんて犬のようですね。
描写がリアルでエグイとのこと、観てみたいです。
でも、行けそうもありません。
これもDVD待ちになりそうです・・・
Posted by しんのすけ at 2007年04月06日 16:18

ぼくのブログ「映画情報てんこ盛り!」で
こちらの記事を紹介させて頂きましたので
ご連絡させて頂きました。

紹介記事は
http://movielovecyu.blog90.fc2.com/blog-entry-169.html
です。
Posted by 映画漬け at 2007年04月06日 18:50
私は映画館で予告編をみて、
コレは絶対映画館に行こう!と思いました。
映画を観に行くと、次から次へと観たいものが
出てきちゃうんですよね〜。

上映時間長かったですか?
あんまり長さを感じず、一気に観てしまいました。

犬よりもすごい嗅覚ですよ^^
DVDが出たらぜひ体感してみてください。
視覚によって嗅覚が刺激される事を!
Posted by マミイ at 2007年04月06日 20:11
すげかったでしょ?

クンクン坊やったらホント困ったチャンですよね。いくら生まれ育った境遇が最悪だって自分勝手に暴走しすぎだよ!!(爆)

変態すぎてもはや常人ではないからねー。ヤツのエスカレートする変態行動に僕は途中からついていけなくなったデス。

それより、「IN UTERO」のその曲の話マジですか?パンフレット読み直そう!!

すげーな。やっぱ精神的に繋がってる部分があるんだねー。
Posted by shit_head at 2007年04月07日 12:41
困ったちゃんなんですけど・・・
ちょっぴり魅かれちゃいました(笑)
でも、ピッタリくっつかれてのクンクンは
勘弁してもらいたいです!

パンフレットの下の方に小さな文字で
豆知識みたいなのが書いてましたよ。
繋がってると知るとますます興味がわきました。
Posted by マミイ at 2007年04月07日 22:15
息子が保育園に行くようになるから、映画に行けるようになるよ(笑)

この映画面白そうだね。もうちょっとやっててほしかったな〜

産後、ゆとりが出来たくらいにDVD化しそうだから、その時に見てみるよ
Posted by ナベッチ at 2007年04月07日 23:34
次の子が生まれると
なかなか行けなくなるだろうから
今がチャンスかも!?

万人向けじゃないからすぐに終わっちゃうのかな?
実家の近くの映画館は3月頭から公開なのに
3月末までには終了してたよ・・・涙。

ちょっと刺激的な映像が多いから
息子くんが寝静まった時にどうぞ(笑)
Posted by マミイ at 2007年04月08日 00:28
連投コメント申し訳ありません。

個人的に映画版の
この作品の舞台である猥雑さや当時の生活の描写がそれこそ、匂ってくる程で
すごかった記憶がありますが。

お読みかもしれませんが、原作の方も
負けず劣らずでしょっぱなから
グルヌイユの“異能”が上手く描かれ
何故、あのラストを迎えたのか
しっかり描かれているので
機会があったら手に取られてみるのも一興かと思います。

それでは!!

Posted by きみやす at 2013年03月01日 18:22
きみやすさん、こちらにもありがとうございます。
連投大歓迎!嬉しいです!!

>原作の方も負けず劣らずでしょっぱなから
グルヌイユの“異能”が上手く描かれ
何故、あのラストを迎えたのかしっかり描かれているので
おぉ!原作は未読です。
本からも匂ってきそうなのですね〜。

昨日『ヒューゴと不思議な発明』の原作を
ポチッとお買い物したのですが
こちらの原作も早速買ってしまいました。

すぐには読めないですが、
原作を読んでから映画の方も再見してみようと思います。
ご紹介ありがとうございます!
Posted by マミイ at 2013年03月02日 22:10
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Excerpt: 素晴らしい!!変態礼賛映画の金字塔!!(そんな映画ねーよ!) いやー、皆様、またしても良い映画を観ましたよ。 全編が見所!!一秒たりとも見逃せません!! 今年観た中では、文句なしのナンバーワン..
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Tracked: 2007-04-07 12:42

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