少年と自転車 原題:LE GAMIN AU VELO
製作2011年 ベルギー・フランス・イタリア
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
脚本:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
出演:セシル・ドゥ・フランス、トマ・ドレ
予告を観て気になったので借りてみました。
血のつながった親子ではない
はっきり言って他人の二人なのだけど、
親子愛の映画だと思いました。
(あらすじ)
シリルは児童養護施設で暮らしているが、父に捨てられた現実を受け入れられず
懸命に父を探す毎日を送っていた。
ある日偶然出会ったサマンサに「週末だけ里親になってほしい。」と頼むと
サマンサは承諾し・・・・・・。
サマンサが菩薩とか聖母のように優しいのです。
おしつけでない、包み込むような愛情が心地よかったです。
ただ、彼女の素性はほとんど描かれていないので
なぜシリルの自転車を買い戻してやったり、とか
なぜ里親を引き受けたのか、とか
恋人とシリルとどちらか選べと言われたときに
少し躊躇したもののシリルを選んだのか、とか
そういうのは全然わかりませんでした。
彼女もこういうネグレクトの経験があったのかな、と邪推しました。
それにしても子供って健気ですよね。
父が行先も告げずに出て行ったのは
きっと何か事情があっての事に違いないって
必死に探し続けるのです。
そして、父からはっきりと拒絶された時も自傷行為を行い
自分を責めてしまうのです。
いたたまれませんでしたが、サマンサが横にいてくれて本当によかったです。
そんなサマンサの愛情に最初は全く気づいていないシリル。
愛されることに不慣れだったせいでしょうか。
でも、人を癒すのは人だと思います。
少しずつですが、シリルが変わっていったのは
サマンサのおかげだと思いました。
最後は急に終わってしまう印象も受けるのですが、
彼の日常はこれからも
サマンサとともにあり続けるのだと思うと
安心して見終える事ができました。
【関連する記事】