生きる
製作1952年日本 監督:黒澤明
脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄
出演:志村喬
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の
『BIUTIFUL ビューティフル』が本作品にインスピレーションを得たらしいので
本家本元を観てみる事にしました。
(あらすじ)
市役所市民課長の渡辺勘治は30年、真面目一徹に仕事をしてきたが
末期の胃がんである事が発覚した。
息子にも同僚にも自分の病気を言えず、悩みぬいた勘治は・・・・・。
息子が幼い頃に妻が病死して以来、20年間男手一つで育ててきた勘治には
生きがいといえば息子しかありません。
余命いくばくもない事を知り、思い返すのは息子の事ばかりで
「光男、光男・・・・・」と息子の名前を繰り返すばかりの勘治は
見ていてつらかったです。
しかし当の息子、光男は父のことを全く理解しておらず、
父の身を案じるどころか若い妾を囲っていると疑い、父を責めます。
そんなこんなでますます本当の事を言えない勘治・・・・・。
子供は自分が育てたようにしか育たないので仕方がないのかしら。
でも、一生懸命仕事をしてきたら、子供と触れ合う時間がないのは当たり前です。
仕方がないというのはちょっと酷かもしれませんね。
とにかく、勘治役の志村喬がすごかったです。
イラストはまだ自分の人生をどう生きればいいのかわからず、
偶然知り合った作家さんに盛り場に連れて行ってもらった時の表情です。
周りは乱痴気騒ぎなのに、彼の周りだけ空気が違いました。
描いてる私もちょっと泣きそうになってしまいました(^^;
セリフはほとんどないですが、目や表情、背中で十二分に語っていました。
人間、タイマーがついているわけでないので
いつ死ぬのか正確には誰にもわかりません。
(「余命」もだいたいの基準で早まることもあれば、遅くなる事もあるし。)
その時になれば、自分にだってできる!と言いながらも、
結局変われるのはほんの一握りの人間なのかもしれません。
やる気をだして変わろうとする意識を持つことすら
並みの人間には難しいのですよね。
・・・・私も変われる自信はないです(^^;
命短し、恋せよ乙女・・・・・・・
大きく変わる事は無理かもしれないけれど、
一日一日を大切に生きていかなければいけないなぁと
改めて思うことのできた映画でした。
冒頭に『BIUTIFUL ビューティフル』の事を少し書きましたが、
あちらはかなり暗くて、生きる事の難しさをすごく感じました。
そしてはいつくばって生きていたとしても、生きる事の美しさも感じました。
同じテーマでも切り口が違う作品、
同じ人間でもそれぞれ生き方が違うのだから当然ですよね。
そうそう、『七人の侍』に出てた人も何人かいるので
あの人は・・・・!って感じで別の楽しみ方もできました。
今日は有難うございました☆
>イラストはまだ自分の人生をどう生きればいいのかわからず、
>偶然知り合った作家さんに盛り場に連れて行ってもらった時の表情です。
良いイラストですね〜胸がキュンとします。
当時のあの宣告は、今とは全然意味が違うのでしょうし、
社会的に多いことではなかったと思いますしね〜。。。
>周りは乱痴気騒ぎなのに、彼の周りだけ空気が違いました。
こういう事は、誰にでもこころ当たりのあるようなことだと思います。
監督の演出も、志村さんの演技も、本当に素晴らしかったですね〜!
>描いてる私もちょっと泣きそうになってしまいました(^^;
想像してこちらも胸キュンに・・・。
>大きく変わる事は無理かもしれないけれど、
>一日一日を大切に生きていかなければいけないなぁと
>改めて思うことのできた映画でした。
大丈夫、大丈夫、マミイさんは前を上を見て
毎日4人の手をつないでいらっしゃいますもの♪
良い作品でしたね・・・あまり好きではない監督なんですけど、この作品と侍だけは独身時代に見ていて、とても好感でしたし、
最近の再見でも良かったです☆
私も自分なりに頑張ります♪
こちらこそ、ありがとうございます。
>良いイラストですね〜胸がキュンとします。
ありがとうございます!
胸にグッとくる表情ですよね。
セリフがなくても、伝わってきます。
>監督の演出も、志村さんの演技も、本当に素晴らしかったですね〜!
本当にそうだと思います。
>良い作品でしたね・・・あまり好きではない監督なんですけど、
>この作品と侍だけは独身時代に見ていて、とても好感でしたし、
>最近の再見でも良かったです☆
渡辺課長と同年代になればなるほど
共感できる事が増えて、映画に没頭できるような気がします。
私は黒澤監督の作品は時代劇しか観たことがなかったのですが、
この作品はそれらとは趣が違うけれど、
でもちょっぴり「七人の侍」の匂いも感じ取ることができました。
>私も自分なりに頑張ります♪
お互いがんばりましょう!
向上心ってなかなか持続できないのですが(^^;
時々、こういう映画を観て自分に喝をいれるというか
人生に張りを持たせていきたいなぁと思います!
イラスト素晴らしいです。哀しみが伝わってきて、目が離せなくなりました。
そんな父親の気持ちをまったく知らない光男の言動はグサグサきますよね〜。誇張じゃなくて実際にこれくらいのすれ違いはいくらでもあるところが…。
ちゃんと相手の話を聞くこと、毎日を大事に生きる事。ホント、その大切さを改めて考えさせられる作品でした。
>イラスト素晴らしいです。哀しみが伝わってきて、目が離せなくなりました。
ありがとうございます!
結構入り込んで描いたので、ふと気がついたら
自分も同じ顔してました。笑
>誇張じゃなくて実際にこれくらいのすれ違いはいくらでもあるところが…。
そうですよね。
いなくなってから初めて気づく・・・多くの人が経験していますよね。
>ちゃんと相手の話を聞くこと、毎日を大事に生きる事。
>ホント、その大切さを改めて考えさせられる作品でした。
平凡な毎日の中でついつい忘れがちになるのですが
こういう作品を見て、向上心を持ち直したいと思います。