ぼくのエリ 200歳の少女
原題:Låt den rätte komma in
製作2008年 スウェーデン 監督:トーマス・アルフレッドソン
原作:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
脚本:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
出演:カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション
思っていたような吸血鬼の映画とは違いましたが
これはこれで、すごくよかったです。
(あらすじ)
12歳のいじめられっ子の少年オスカーは
ある日エリという少女と出会う。
自分と同じ年頃に見えるが、学校に行かず
不思議な魅力を持つエリに次第にひかれていく。
同じ頃、町では殺人事件が頻発しており・・・。
吸血鬼ってもっと華麗に、美しく血を吸う
耽美的なイメージがあったのですが、
顔中血だらけにして「食事」するエリには
すごく生々しさを感じてしまいました。
今までは吸血鬼とグールとは異なる存在と言う
認識だったのですが、エリには両方を感じました。
しかも、グールのような吸血鬼もアリだと思いました。
現実世界のつらさから逃れるため空想に逃げるオスカーを
エリが見初めたのは必然で、オスカーは彼女に
次第にひかれるように仕向けられたのだと思います。
この頃はたとえ同じ年齢だとしても精神的な年齢は
女のほうが数段上なのに、相手は200歳ですから
夢見がちなコミュ障少年を手玉にとるのは
簡単だったと思います。
それを終始危うげな雰囲気で作りきった
この作品はすばらしいと思います。
一部残酷な映像がありますが、
現実世界のドロドロに比べたら
マシなのかもしれません。
変な言い方ですが、エリが特別な美少女でなかったのも
世界観にあっていて逆によかったです。
ハリウッドでクロエ・グレース・モレッツ主演で
『モールス』という名前でリメイクされてるのですが
観たいような、観たくないような気がしてます。
最後のいじめっ子たちへの仕返しは、さすがにやりすぎかなぁ。見せ方は素晴らしかったですが。
生き残った子は立ち直れるのか…。そして、息子が惨殺現場から消えてしまった母親は…?
エリの子役はホント役にぴったりでしたよね。少年の雰囲気もありつつ、美形というほどではないのに妖艶で。200年の孤独の重みもずっしりきました。
記事を探してくださってありがとうございます!
観てすぐはエリがオスカーを手玉にとったようにも思ったのですが
ネットで色んなことを補足した今は感じ方が変わってます。
宵乃さんが推測したその後もすごくいいと思います。
スウェーデンは映画もいいですし、
「ニルスのふしぎな旅」とか「長くつ下のピッピ」とか
児童文学も傑作が多くて、日本人とは心情的に
共感できる部分が多いのかもしれません。
>最後のいじめっ子たちへの仕返しは、さすがにやりすぎかなぁ。
この辺は難しいですね。
オスカーも命の危険でしたし・・・。
>エリの子役はホント役にぴったりでしたよね。
不思議な雰囲気の子でしたね。
200歳って言われても納得しちゃいそうな。笑
宵乃さんとお話していたら無性に原作を読みたくなったので、
早速アマゾンで注文しちゃいました。