巴里の空の下セーヌは流れる
原題:SOUS LE CIEL DE PARIS COULE LA SEINE
製作1951年 フランス 監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ
脚本:ジュリアン・デュヴィヴィエ、ルネ・ルフェーブル
出演:ブリジット・オーベール
夏休みです。
子供たちが遊んでる間にイヤホンしてパソコンで鑑賞。
すぐに集中して観れました。
イヤホンだから音にも集中できてよかったです。
(あらすじ)
いつもと変わらぬパリの夜明け、
釣り人や猫好きの老女、パリに憧れて
上京した女性など様々な人が活動を開始する・・・。
本当にいろんな人がでてきます。
工場でストに参加している銀婚式を迎えた男性、
実力はあるのに試験に落ちてばかりの研修医、
親に怒られるのが怖くてプチ家出中の女の子、
シリアルキラーな芸術家などなど。
色んな人に焦点が当てられていきます。
それらの人が選ばれるときに
「運命の歯車は回る」とナレーションがあり
カリカリカリ・・・って音がするのですが
私は歯車と言うよりは人生ゲームのルーレット
みたいなものを連想しました。
フランス語ではなんと言ってるんでしょうね。
上京してきた女性の名前はドゥニーズと言いますが
パリの人々はなぜか名前を知っています。
それは親が決めた許婚アルマンが描いた
ポスターが貼られているせいです。
ポスターには「mon amieドゥニーズ」と書いてありました。
(ドゥニーズは綴りを忘れてしまいました。)
意味は「私の友人」です。
恋人と書けなかったアルマンを想い、
まだ二人は友達以上恋人未満だったのだなぁと思いました。
中盤までは割りと穏やかに観ていたのですが、
後半みんなの運命の糸が一気に絡み合って
その辺の描き方がとてもすばらしいと思いました。
そして、新聞沙汰になるほどの事件がおきつつも
また変わらぬ朝日がのぼり
すべて世は事もなしとでもいう風に
悠然と流れるセーヌ川が印象的でした。
また全然違う映画だし、ほとんど内容を覚えていないのに
『ベルリン・天使の詩』を思い出しました。
もちろん本作には天使なんて出てきません。
おしゃべりな!?ナレーターがいるだけです。
でも、こうやっていろんな人の人生を
垣間見ている自分が天使になったような気がしました。
今朝は有難うございました☆
>それらの人が選ばれるときに
>「運命の歯車は回る」とナレーションがあり
>カリカリカリ・・・って音がするのですが
あの音、耳について離れません。
>私は歯車と言うよりは人生ゲームのルーレット
>みたいなものを連想しました。
こちら読ませて頂き、目からうろこでした。
そういえばそうなのかもしれませんね〜?
>恋人と書けなかったアルマンを想い、
>まだ二人は友達以上恋人未満だったのだなぁと思いました。
まぁこの二人はそれでも仕方なかったけど、
彼女の片想いの相手のことは、切なかったです。
>中盤までは割りと穏やかに観ていたのですが、
>後半みんなの運命の糸が一気に絡み合って
>その辺の描き方がとてもすばらしいと思いました。
そうですね〜この監督は「オムニバス」に特化した人なので、上手ですよね〜全く。
>そして、新聞沙汰になるほどの事件がおきつつも
>また変わらぬ朝日がのぼり
>すべて世は事もなしとでもいう風に
>悠然と流れるセーヌ川が印象的でした。
そうなんですよね〜たった一日の出来事なんですよね〜。
全て世は事もなし、というのが、全くその通りです!
>また全然違う映画だし、ほとんど内容を覚えていないのに
>『ベルリン・天使の詩』を思い出しました。
>もちろん本作には天使なんて出てきません。
>おしゃべりな!?ナレーターがいるだけです。
>でも、こうやっていろんな人の人生を
>垣間見ている自分が天使になったような気がしました。
あの映画は、私は浮かびませんでしが、この文章を読ませて頂くと、俯瞰、という言葉が、両作に通じるものかもしれないな〜と思いました。
私はうるさいフランス語のナレーションが、「アメリ」とこの作品が似ているような気がしています。
では、毎日暑いですが、お気を付け下さいね〜♪
>あの音、耳について離れません。
なんて形容したらいいか難しいですが
私は歯車の音には聞こえませんでした。
ルーレットはちょっと主観的な意見かも
しれません(^^;
>彼女の片想いの相手のことは、切なかったです。
主に手紙のやり取りだけで
勝手に想像をふくらませていたからなのか
あまりにもあっさり別れたように私には見えて
ちょっと驚きました。
>たった一日の出来事なんですよね〜。
時系列を変えることなく淡々と描いていますよね。
あれこれゴチャゴチャせずにスッキリと観れました。
>俯瞰、という言葉が、
>両作に通じるものかもしれないな〜と思いました。
私が言いたかったのはまさにソレです!
多少皮肉な語り口のナレーションではあるものの
批判することなく全体を描いていたように思いました。
>私はうるさいフランス語のナレーションが、
>「アメリ」とこの作品が似ているような気がしています。
「アメリ」も似てますね。
うるさくても不快にならないのが
フランス語のうらやましいところです。
>では、毎日暑いですが、お気を付け下さいね〜♪
ありがとうございます。
miriさんもご自愛くださいませ〜!
鴨川の流れはたえずして、しかも、もとの水にあらず
人間万事塞翁が馬
この二つの言葉が浮かぶ映画でした。
しかし、あのオッサン(ナレーター)の口を誰か塞げ!と思ったのは僕だけでしょうか?(笑)
先日、木下恵介監督の「破れ太鼓」(1949年)を観たのですが、当時の日本人が憧れるフランスそのままの映画でした。
miriさんも仰ってますが、あの音を歯車(僕は映写機の歯車かな、と思った)ではなくルーレットの音に聞こえたマミイさんの感覚は鋭いです。
あと、モ・ナムールでもジュ・テームでもない、モ・ナミとしか書けなかった説明も納得です。
>鴨川の流れはたえずして、しかも、もとの水にあらず
>人間万事塞翁が馬
>この二つの言葉が浮かぶ映画でした。
なるほど!です。
鴨川とセーヌ川・・・流れる国は違えど、
川を見て思うことは一緒なのですね。深いです。
>しかし、あのオッサン(ナレーター)の口を誰か塞げ!と思ったのは僕だけでしょうか?(笑)
あはは!あのオッサンはよくしゃべりましたね〜!!
大阪のツッコミ文化と同じものを感じましたよ。笑
>マミイさんの感覚は鋭いです。
ありがとうございます!
普段は鈍感なのですが(^^;
ちょっと軽めのカリカリ・・・って音や
人の運命がちょっとした事で好転・暗転しちゃうので
ルーレットを連想しました。
>モ・ナミとしか書けなかった説明も納得です。
初々しいですよね。
もう、そんな時代は遠くに過ぎ去ってしまいました(^^;