修羅雪姫
製作1973年 日本 監督:藤田敏八
原作:小池一夫、上村一夫
脚本:長田紀生
出演:梶芽衣子
小池一夫氏原作でタランティーノ監督の
『キル・ビル』の元ネタにもなったという事で
観てみたかった作品であります。
(あらすじ)
家族を殺され、自身も暴行を受けた鹿島小夜は
獄中で娘、雪を出産し自らの身の上を
女囚仲間に話し息絶える。
成長した雪は凄絶な修行に耐え、
蛇の目傘にしこんだ白刃とともに
母の恨みをはらす旅に出る・・・・・・。
設定がものすごいですよね。
ありえないほど恨みつらみにまみれています。
小夜が雪を身籠ったのは暴行のせいではないのです。
我が子に自らの恨みをはらさせるために
どんな相手もいとわずに獄中でさえもまぐわうのでした。
我が子の幸せを願わず、自らの道具とするためだけに
産むなんて・・・・・・恐ろしい事ですけど、
平々凡々と暮らしてるとわからない恨みが
もしかしたら世の中には存在するのかもしれません。
仇と言っても自らは会った事さえないのです。
しかし、その相手を死に追いやるだけでは満足できず、
お墓や供花さえ斬るという凄まじい恨みです。
そして、ありえないほどの血しぶきがとびます。
これだけ設定がありえないのですから、
血しぶきぐらいでグダグダ言うのはヤボってもんです。
小夜の恨みをはらすかのように
仇の血が舞い踊ります。
梶芽衣子さんがクールな雪を好演しています。
ありえないほどの恨みや感情を表情に出すことは
ほとんどないのですが、
それでもちゃ〜んと伝わってくるのです。
そして、血しぶきがかかった雪の表情は
さらに美しさに磨きがかかるのです。
最後はまさに因果応報!
これ以外はしめくくれないというラストでした。
上村一夫さん作画の原作漫画は見た事がないのですが
2009年に池上遼一さんが外伝を出版されているようですので
そちらが気になって仕方がありません。
顔は梶芽衣子さん風ではなく、普段の池上流の女性の顔です。
そこがまたステキです!
確かに血しぶきがかかった雪は綺麗でした。
ある意味、産みの親は小夜というより”恨み”そのものですからね、見た事もない仇を追う雪をみていると哀しくなります・・・。
>これは凄い話ですよね〜。
このお話もおもしろいとかそういう次元のお話ではないですよね。
>ある意味、産みの親は小夜というより”恨み”そのものですからね、
雪は母親の小夜の顔すら知らず、
毎日恨みばかり聞かされて育ったんでしょうね。
壮絶で哀しい生い立ちですよね。
なんか映画だとすごそうですね。見て見たいような.....う〜ん。
でも、怖そうですが、本なら読んでみたい気がします。
血しぶきが飛ぶのは.....
悪夢を見そうです。
しかしその心理描写は、興味をそそりますね。
血しぶき・・・というか、ここまでくると
大量の赤ペンキですね(^^;
というほど、たくさん出てきます。
>しかしその心理描写は、興味をそそりますね。
本当に昔ながらの時代劇で
因果応報、悪い事をした人は必ずやその報いを受けますね。
恨みつらみや境遇の哀しさはとても重たいですが、
自分とは全く違う状況の主人公の心理、
気になりますよね。