すべて彼女のために 原題:POUR ELLE
製作2008年 フランス 監督:フレッド・カヴァイエ
脚本:フレッド・カヴァイエ、ギョーム・ルマン
出演:ヴァンサン・ランドン、ダイアン・クルーガー
道徳的には許されないお話なのですが
奥さんへの愛をヒシヒシと感じる映画でした。
(あらすじ)
リザは夫ジュリアンと息子オスカルと幸せに暮らしていたが
ある朝突然殺人容疑で逮捕され、無実の罪でありながら
懲役20年の刑に処せられしまう。
自殺未遂をし精神的に追い詰められ
ボロボロになっていくリザを心配したジュリアンは
誰にも内緒で脱獄の計画を練るのであった・・・。
ジュリアンは平凡で真面目な教師でした。
脱獄の計画も緻密にねるのです。
壁一面に筋道立てて考えていく様は
内容を考えなければ、本当に授業風景のようでした。
元々は平凡に暮らしていた人だから
いくら本を読んで知識を手に入れたところで
急に裏社会には入れないんですよね。
偽造パスポートを手に入れようとして
闇ルートでタバコを何箱も買ったり、
ボコボコにされてお金をとられたり
色んなつらい目にあいましたが
それでもあきらめずに頑張り続けたのは
ただただ、奥さんへの愛情があったからでしょう。
リザも本当につらかったと思います。
無実なのに急に刑務所に入れられてしまうのですから。
かわいい盛りの子どもと突然に引き離され、
成長を目の当たりにする事ができないのです。
そして日々成長していく息子は
面会の時に段々とよそよそしくなっていくので
不安はどんどん増していっていたと思います。
「偶然」ってなんなんでしょうね。
凶器や動機、血痕、すべてが偶然リザにつながり
リザは不幸にみまわれました。
そして脱獄して逃亡する途中は偶然に、
タッチの差で追手から逃れる場面もありました。
犯人は誰かとか、脱獄の手口がどうとか
そういうサスペンス要素は少なく
ただただ純粋な・・・・・
例え法を犯すことになっても
愛する人を救いたいという一途な気持ちを
描いた映画だと思いました。
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大好きってほどではないですが、この映画は、
ハリウッドでのリメイクも含めて見ています。
捻りがなくて、その分たしかに純粋で、新鮮味がありました。
美人すぎる囚人、ダイアン・クルーガーが巧いので、
「あれは助けたくなるよな〜」って納得しました。
壁一面を使って計画を立てるのは、
映画として見栄えが良いんですけど、簡単に見つかりそうです。
ボクだったら、PCかノートを使うなあ(笑)。
ハリウッドリメイクも気になっていますが
ラッセル・クロウか・・・という事で
ちょっぴり躊躇しています。
ラッセルだと一般人にはとても見えませんので(^^;
あの奥さんはステキですよね。
逮捕される直前のラブラブなところとか。
毎日家族の写真を撮り続けるなんて尊敬します。
だからこそ、収監されてからの変貌っぷりがすごくで衝撃でした。
最初、ホワイトボードに見えたんです。
さすが学校の先生だな〜と思っていたら壁でした。
あれだけ綿密に計画を立てたのだから
ごみの捨て場所とかもうちょっと考えないといけませんよね。笑
まあ、完璧すぎるとギリギリでかわすドキドキ感を味わえませんけど。
ありがとうございました!
>奥さんへの愛情があったからでしょう
タイトル通り、そのものずばりの「すべて彼女のために」でしたね。
愛は、一歩間違えれば、深くなればなるほど闇に迫り孤独になっていくとつくづく思わされました。
>壁一面に筋道立てて考えていく様は
内容を考えなければ、本当に授業風景
そうよね、観客には分かりやすいチャートでしたが行き先は書く必要がなかったのに・・・。
生徒が正解を導けば〜。
ケンさんの記事も拝見し、私もスリーデイズを観たくなってきました。ネットで調べた時には冗長すぎると批評されていたのですが、結構忠実にリメイクされているみたいですね。
ラッセル・クロウよりエリザベス・バンクスが演じているリザにも興味あります。
ケンさんが書いている
>意気地ない弁護士と口論する、前半の場面。
法律なぞ、くそくらえ!
このリメイクは、西部劇の国らしい、無法者の物語だ。たたかう理由は、愛ぢやない。
私もこの部分がもっと欲しいしね。
>タイトル通り、そのものずばりの「すべて彼女のために」でしたね。
本当にそうでしたね!
ネットで翻訳すると原題も「彼女のため」でした。
>愛は、一歩間違えれば、深くなればなるほど闇に迫り孤独になっていくとつくづく思わされました。
おぉ〜、深いです。
>そうよね、観客には分かりやすいチャートでしたが行き先は書く必要がなかったのに・・・。
言われてみれば・・・・(^^;
その辺は平凡な男だからなのでしょうね。
根っからの悪人だったら人を信用しないから、
行先を書いたり、近所に捨てたりする事はなかったでしょうね。
>結構忠実にリメイクされているみたいですね。
そうなんですか。
ラッセル・クロウが夫役っていうだけで
絶対に夫が何とかしてくれそうって思ってしまいます(^^;
肝試し企画の前に観たので、記事にするまでに間があいて、ちょっと忘れてました。
そういえば奥さんは毎日のように子供の写真を撮っていたんでしたっけ。
面会の時に、真っ先に夫に飛びつくのが印象に残ってました。恩赦もありえるのに、息子を遺して自殺未遂というのも…。
でも、彼女なりに気にかけてましたね。
ジュリアンは意外と感情移入できてしまって、自分でも驚きました。あんなに美人の奥さんに愛されてたら納得です。
新天地でも家族愛で乗り切ってほしいと祈ってしまいました。
>恩赦もありえるのに、息子を遺して自殺未遂というのも…。
ある日突然、自分が世の中から否定されてしまい、罪人になってしまったら
他人を構う余裕なんてなくなってしまうのかもしれませんね。
>ジュリアンは意外と感情移入できてしまって、自分でも驚きました。
色々と失敗する部分も含めて平凡すぎるところが
感情移入しやすかったかもしれません。
道徳的には許されないですけど、
彼なりに一生懸命であったと思いますし。