イノセント 原題:L'INNOCENTE
製作1975年 イタリア 監督:ルキノ・ヴィスコンティ
原作:ガブリエレ・ダヌンツィオ
脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ
出演:ジャンカルロ・ジャンニーニ、
ラウラ・アントネッリ、ジェニファー・オニール
無垢なる者というのは純粋で穢れがないと同時に
わがままでエゴイスティックな部分があるのではないか
というのが私の持論です。
だって、赤ちゃんってお腹が空いたら泣いて・・・と
とにかく自分の要求があれば
こちらの都合はお構いなしに突きつけてくるんですから。
(あらすじ)
20世紀のローマの貴族社会。
妻ジュリアーナへの愛が冷めたトゥリオは未亡人テレザに
熱を上げていたが、ジュリアーナも他に男がいる事を知り
トゥリオはジュリアーナへの愛を再確認した。
しかし、ジュリアーナは不義の子を授かっており・・・。
トゥリオはひたすらにわがままでやりたい放題の男です。
自分の妻に向かって浮気相手の事を
「今まであんなに夢中になった女はいない」と
べた褒めするなんて信じられません!
しかも、自分は浮気してるくせに
妻は貞淑だと思うなんて・・・・・・・。
彼は釣った魚に餌はやらないけれど、いざ魚が逃げようとすると
途端に惜しくなる根っからのハンターなのです。
でも、そんなトゥリオは己の欲望に一番純粋なのかもしれません。
ジャンカルロ・ジャンニーニは当時30代半ばなのですが
時折少年のような表情を浮かべるんです・・・ひげ面なのに!
そんな彼に私もついついほだされてしまうのでした。
トゥリオはジュリアーナの気持ちもテレザの気持ちも
考えようとせず、最後まで自分の事ばかりでした。
そんなトゥリオが実はイノセントなのかも・・・・・。
(ホントは生まれた赤ちゃんの事を指していますが。)
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>自分の妻に向かって浮気相手の事を
>「今まであんなに夢中になった女はいない」と
>べた褒めするなんて信じられません!
>しかも、自分は浮気してるくせに
すごいキャラですよね〜!
現代の日本では、通用しない・・・と思いたいです!
>でも、そんなトゥリオは己の欲望に一番純粋なのかもしれません。
>そんな彼に私もついついほだされてしまうのでした。
ふふふふふ・・・マミイさん、コロッといきましたか???
>そんなトゥリオが実はイノセントなのかも・・・・・。
>(ホントは生まれた赤ちゃんの事を指していますが。)
私は赤ちゃんの事だと思ったのですが、原作にハッキリと書いてあるのでしょうか???
でも、人それぞれの受け止め方で良いような気がします♪
ヴィスコンティの遺作で、ちょっと迫力不足だったけど、まぁまぁ良い作品でしたね〜。
>ふふふふふ・・・マミイさん、コロッといきましたか???
『流されて・・・』のワイルドな感じもよかったんですけど、
今回のダダっ子のお坊ちゃん風(もういい歳でしたが^^;)も
ステキでした。
ジュリアーナも心の奥底ではトゥリオをまだ愛して・・・というか
縁を切るほどは嫌いにはなってなかったんではないかと
勝手に思っています。
どんだけ悪さをしても、なぜか許されちゃう人っているんですよね。
>私は赤ちゃんの事だと思ったのですが、原作にハッキリと書いてあるのでしょうか???
ウィキペディアからの受け売りですが
原題は「罪なき者」という意味らしいです。
トゥリオは欲望には純粋ですけど、
罪はありまくりですからね^^;
まあ、彼は無神論者だから罪悪感なんてないでしょうけど。
あと、これもウィキペディアに書いてありましたが
ヴィスコンティは1972年に『ルートヴィヒ』撮影中に倒れ
(心臓発作と書いてありましたが、左半身麻痺の後遺症があり
脳血管系の障害ではないかと思います。)
1975年に本作を撮った時も
左半身がマヒしたままで車椅子に座って
メガホンをとっていたようです。
もしかしたら、死の覚悟は常にしていたかもしれないですね。
映画の撮影って本当に過酷極まりないでしょうから。