エレファント・マン 原題:THE ELEPHANT MAN
製作1980年 アメリカ・イギリス 監督:デビッド・リンチ
原作:フレデリック・トリーブス、アシュリー・モンダギュー
脚本:クリストファー・デヴォア、エリック・バーグレン、
デビッド・リンチ
出演:ジョン・ハート、アンソニー・ホプキンス
以前からみようと思っていた作品です。
哀しい映画でした。
(あらすじ)
19世紀末のロンドンの見世物小屋に「エレファント・マン」として
暮らすジョン・メリックという青年がいた。
彼を見つけた外科医のトリーブスは研究のために病院に呼ぶ。
メリックに読み書きもできる知能があると知った
トリーブスは・・・・・。
同じような作品にピーター・ボグダノビッチ監督の『マスク』が
ありますが、あちらは母親や周囲の愛情が感じられるのですが、
エレファント・マンにはこれまでの人生に愛や人間の尊厳を
感じる事はありませんでした。
それがとても哀しかったです。
たった一人でもいい、周囲に愛されてこそ、認められてこそ
自分に自信が持て、自分を肯定できるのではないでしょうか。
終盤にメリックが周囲の興味本位の視線、行動に対して
叫ぶ事ができたのは入院後に関わった人たちから
愛されたからだと思います。
他人を愛する事ができるのも人間なら
自分本位、興味本位で他人を傷つける
残酷な事ができるのも人間です。
袋をかぶった人間がどんな顔をしてるか
興味を持つのは仕方のない事だと思いますが、
その後の行動・・・・・とても大事だと思います。
本当にその通りですよね。恐れず話せるようになって、周りの人々と心を通じ合わせ、自分の意見を言えるようになって・・・と一歩づつ進めるようになったのは、やはり認められて愛されたからだと思います。
人間が人間らしく生きるために、それは必要不可欠なことで、でも誰もが当たり前に与えられるものじゃないという事実を突きつけられました。
愛し愛されるって普段はあまり考える事なく
しかも家族であれば当たり前の事であるはずなのに
そうではない人間もいるという事が驚きで
言葉になりませんよね。
そういう事実があった事は風化させずに
もしも、今後自分がそのような境遇に立ち会った時に
どう行動するべきか・・・・・
深く考えさせられるいい映画でしたね。